2017-04

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荒川洋一94 磯谷直行型

荒川洋一94 磯谷直行型

 4月に入ったのに今日も気温は上がらない。厚手のコートを着ている人を見かける。友人から鹿島セントラルホテルの桜が咲き始めたとメールが届いた。澄んだ青空のもと、1分咲ぐらいだろうか、疎らに咲いている姿がいじらしい。

荒川洋一94-3

 荒川さんの略年譜の中に「こけし(タコ坊主)の創始者、岩本善吉、そして岩本芳藏に惹かれ四十有余年」とある。昭和45年に岩本芳藏に師事し芳藏型に専念し、昭和47年に善吉型の復元を許されてからは、数々の善吉の古作と向き合い成功をおさめている。また喜多方の小椋千代五郎、甚九郎や後継者の無い須賀川の松木朝臣などのこけしの復元も果たしている。

荒川洋一94-1

 今日、紹介するこけしは荒川洋一さんの磯谷直行型で大きさは8寸2分、背中には「愛玩鼓楽 発刊記念 三百の内 二六三」と記されている。荒川さんの略年譜では、昭和60年の項に「愛玩鼓楽 発刊記念に際し磯谷直行遠刈田風復元」とあり、鈴木鼓堂氏の所蔵品を原に復元している。

荒川洋一94

 昨年、荒川さんのご自宅にお伺した時に、私が所有している「岩本芳藏」の磯谷直行型の写真を持参し、芳藏さんの直行型に付いて知っていることをお聞きしたが、見たことも作っていたことも記憶にないとのことであった。磯谷直行型のこけしに関しては師芳藏と洋一さんの接点はなかったということが結論になる。

荒川洋一94-2

 以前、こけしの話296(2016年8月7日)で紹介した芳藏さんの直行型と荒川さんの直行型を2つ並べてみると、原の違いによるものであると想像するが、頭の大きさや手絡の向き、胴模様の描き方など大きく異なっていることがわかる。

 荒川さんは復元した当時、40代であり筆に勢いがある。写真などで観る直行型は角ばった大きな頭で厳つく感じていたが、手に取ってじっくり眺めてゆくうちに、キリッとした目や引き締まった口、品の良い健康的で溌剌としたこけしであるという印象に変わってきた。

こけしの話327

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