2017-05

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今 晃20 3本の引眉のこけし

今 晃20 引眉のこけし

 私が子供の頃に観た古い時代劇では、女優は歯を黒く塗り(お歯黒)眉を剃って(引眉)演じるのが普通だった。白黒の画面の中で観る映像は、黒い歯と眉を剃った女優が口を動かす度に、薄気味悪く感じ子供心に異様に映っていたことを思い出す。
 最近では三谷幸喜の映画「清須会議=2013年に公開」の中で鈴木京香がお市の方、剛力彩芽が織田信忠の奥方松姫に扮し、引眉とお歯黒で役を演じていた。

今晃20-1(引眉こけし)

 今日、紹介するこけしは今さんの作品で、大きさは4寸である。昨年の8月、ヤフオクに今回のこけしと同手の物が2本、3本と纏めて何組か出品されていた。その中の1組を落札したものである。3本とも眉を薄墨で描いていおり、何時頃の作かも、原の有無も分からないまま、その中から1本だけ出し棚に飾り眺めていた。

今晃20(引眉こけし)

 その後、私と同じ時期に落札したと思われるこけしが、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜(2016年10月3日)」で「引眉こけし」と題されて紹介されているのを見つけた。その中では木村弦三のコレクション中にある島津彦作のこけしを原にしていると思われることや「引眉」の意味や歴史にについて語られていた。

今晃20-2(引眉こけし)

 最近、「木おぼこ・今晃」(2017年3月18日)の中に、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜」で紹介された引眉こけしについて取り上げられ大いに参考になった。本作は平成元年5月23日に作られた島津彦作型で、この時以外に薄墨で引眉を描いた彦作型は作っていないことや今さん自身は引眉こけしを作った経緯について記憶が曖昧になっていることなどに触れられている。
 
 私は、このグロテスクにさえ見える今さんの引眉こけしについて、靄がかかっていた謎の部分が少しだけ解けたことで、愛着と面白味が増したことを感じた。

こけしの話332

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今 晃19 松山庭園美術館2

今 晃19 松山庭園美術館2

 千葉県匝瑳(そうさ)市の松山庭園美術館の館長である此木三紅大(コノキ ミクオ)氏は昭和12年に東京都の北区に生まれ、今年で80歳になる。中学1年から油絵を始め、18歳の時には独立展に入選し、武蔵野美術大学卒業後にローマの美術大学に留学している。
 此木三紅大氏の作品を収蔵する「那須高原 私の美術館」のHPのプロフィールを読むと、若くして注目され、作品は具象、抽象を問わず、絵画・彫刻・ステンドグラス・陶芸などジャンルの幅が広いことが分かる。

今晃19-2

 先月、第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るために松山庭園美術館を訪ねた時には、此木先生は大きな身体を折り曲げるようにして広い庭の中で黙々と草取りをしており、微笑ましく感じた。また、この美術館には猫が何頭も飼われている。その猫達が時々テレビで放映されることがあり、広い庭を歩き回る猫、展覧会の会場の椅子に乗り悠々とお昼寝をするネコなどを見るのを楽しみに来場する人もいる。

今晃19-1

 今日、紹介する今晃さんのこけしは、大きさが7寸5分で、制作時期は昭和62年2月である。段のついた肩に細長い胴は裾が少し広がっている。白い木地に墨彩画のように紅い梅の花が正面に3輪、側面に1輪描かれている。

今晃19

 頭は少し面長で、胴とのバランスが良い。顔は長い眉と切れ長の眼、鼻は2筆で細長く描かれ、口は少し開いている。このこけしは細く切れ長の眼から怒りを含でいるような印象を持ったが、時々、机の上に置いて眺めているうちに、観る角度によって円空仏のように微笑んでいるように感じるようになった。

こけしの話331

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今 晃18 新緑の松山庭園美術館

今 晃18 新緑の松山庭園美術館

 千葉県匝瑳(そうさ)市にある松山庭園美術館を訪ねた。第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るためである。いつもの年は5月に入ってから行くことが恒例になっていたが、今年は展覧会の初日(4月21日(金))に行くことにした。入口で入館料を払い、長屋門を潜ると庭園には芽吹きはじめたヤマモミジやふっくらと軟らかそうな黄緑色の苔の中に、此木三紅大(コノキ ミクオ)氏が制作したユーモラスな顔をした石像が何体も置かれている。

今晃18-2

 幸運にも、今年はいつもより早い時期に出掛けたので、自然の環境に近い状態で栽培されているアツモリソウやアマドコロなど、春に咲く山野草に出会うことができた。

今晃18-1

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作品で大きさは8寸2分、造り付で肩が丸く、胴の中ほどが少し括れている。白い木地の裾のあたりに上に向かって咲き出そうとしている赤い花が1輪描かれている。牡丹の花だろうか。頭は小さく尖っていてバサッとした髪形をしており、墨一色で描かれた顔は人間味のある表情であり、どことなくユーモラスで親しみを感じる今さんのこけしである。

今晃18

 松山庭園美術館では様々な作家が描いた猫の絵、此木氏のユーモラスな彫刻や絵画、庭の樹々をゆっくりと眺め、活力を頂いてきた。

 家に戻ってから、今さんのこけしを何本か机の上に並べてみた。そしてそれらを眺めながら、今さんのこけしと此木氏の彫刻や絵画の世界には「童心」という言葉が一番良く似合うと私は改めて実感した。

こけしの話330

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今 晃17 春を想う時

今 晃17 桜色
 
 全国で桜が開花したというニュースが流れている。桜の花は厳しい寒さに一度は晒されると開花が早くなることを最近になって知った。私が住む鹿島灘沿いの温暖な土地は穏やかで寒さはゆるい。通勤ルートのソメイヨシノの蕾はまだ固く閉じたままになっているのも納得ができる。明日はかなり暖かくなるらしい。桜の開花が期待できるような気がする。

今晃17-1

 今さんの作品の中に、淡いピンクに塗った胴に桜の花びらを散らしたものがある。我が家にも1本あったような気がして、箱から取り出して包みを解いてみると、胴は淡い桜色の染料で塗られていたが花びらは描かれてなく、私の記憶違いであった。

今晃17

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作で大きさは4寸、制作時期は平成5年である。胴はくびれ末広がりで、盛秀太郎さんのこけしのような形をしている。胴の模様は肩と帯、裾に赤、緑、紫の3色で細い線が引かれ、その中に淡い桜色の染料が塗られて、幼児のようにあどけなく愛らしい顔が描かれている。この小さなこけしを手に取って眺めてみると、心なしか掌に春の暖かさが伝わって来た。

こけしの話326

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今 晃16 笠を被った幸兵衛型

今 晃16 笠を被った幸兵衛型
 
 先日(9月22日)100名山の一つ谷川岳に登った。台風16号が去り、天気の回復を願いつつ21日の深夜に水上温泉のホテルに入った。翌日、午前中は天気が持つとのことだったので、ホテルの朝食をキャンセルしロープウェイの土合口駅まで行き7時発のロープウェイに乗り標高1320mの天神平駅に立った。外は一面の霧が立ち込め今にも雨が降り出しそうな中、雨合羽を着込み濡れた道を歩き出すと間もなく霧雨になり、1時間ほど歩いて休憩した熊穴沢の避難小屋あたりからは本降りになってきた。避難小屋から先はクサリ場などのきつい登山道となり一歩一歩慎重に歩を進めた。頂上近くの肩の小屋を過ぎるとササ原の道となり雨と闘いながら、やっと双耳峰谷川岳のトマの耳(1963m)とオキの耳(1977m)の頂に立つことが出来た。

今晃16-3

 紅葉には少し早い季節の登山だが頂上付近の樹々は少し色付きはじめている。ガスでほとんど視界はなかったが、丈の低いモミジやツツジの葉が赤や黄色に染まろうとしており、雨の降る中で私達をホット和ませてくれた。
 
 今日、紹介するこけしは今晃さんの笠幸兵衛で大きさは7寸、制作時期は胴底にエンピツで平成6年1月28日と記されており平成5年末ごろから平成6年1月はじめに作られたとものと推定され、今さんの笠幸兵衛型としては初期の作と思われる。

今晃16-1
 
 木地の形態は胴の中央辺りが括れており、縁の小さめな笠を頭に被り、笠のてっ辺の雪洞を赤く塗り、放射状の4本の線と笠の縁は紫の染料を使っている。胴の上下には赤と紫の染料でロクロ模様が引かれ、中ほどに紅い牡丹の花が一輪と黒い墨の添え葉が5枚描かれ、首は長く太い眉にキリットした眼、引き締まった真摯な表情が良い。

今晃16

 斎藤幸兵衛の笠を被ったこけしは昭和9年作が「木村弦三コレクション」の中に唯一1本あり、このこけしを原にして多くの津軽系の工人達が笠幸兵衛を作っているという。今晃を含む笠幸兵衛型については「こけし千夜一夜物語(第326夜から第330夜)」と「こけし千夜一夜物語Ⅱ(第29夜)」の中に「津軽の競作3」と題され詳しく紹介されており参考にして頂きたい。

こけしの話300

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