2018-04

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今 晃25 嶽時代

今 晃25 金次郎型嶽時代

 この3連休は天気に恵まれ、私は久しぶりに休日のウォーキングを楽しんだ。風が少し冷たくなり季節を感じながら歩く。まだ紅葉には早いが、道端では秋の陽の光を浴びてツワブキが黄色い花を咲かせいた。

今晃25-2 佐々木金次郎型重ね菊

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作品で大きさは7寸3分で金次郎型である。制作時期は昭和59年4月で、胴底には「嶽 今晃」と記されている。

今晃25-1 佐々木金次郎型重ね菊

 造り付の胴は肩が丸く張り、裾は少し広がり安定した形になっている。胴の上下には赤と紫、緑色の染料でロクロ線が引かれ、中ほどにはサクサクと勢いのある筆使いで重ね菊が描かれている。オカッパ頭に目は少し離れ気味、飄々とした顔の雰囲気が良く、今さんならではの魅力を発揮した作品になっている。

今晃25 佐々木金次郎型重ね菊

 今さんのこけしを並べてみると昭和58年、59年頃の嶽時代の作品が比較的多い。昭和60年代に入ってからの今さんのこけしが少ないのは、住宅ローンや子供たちの成長とともに経済的な負担が別な方向にむかうようになったことが主な理由だが、こけしに対する想いが一時的ではあるが薄れたのもその頃である。
 
 何処となく飄々とした顔、この金次郎型のこけしを眺めながら遠い昔を振り返ることがある。

こけしの話350

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今 晃24 幸兵衛型達磨絵

今 晃24 幸兵衛型達磨絵

 今日、紹介するこけしは今晃さんの幸兵衛型達磨絵で大きさは6寸、制作時期は平成29年7月である。造り付で胴の中ほどが括れている。胴模様は赤と紫のロクロ模様を引き、それが滲んでいる。そのロクロ線の中に、目は吊り、立派な獅子鼻で、キュッと口を結んだ達磨絵が描かれている。髷を結った幸兵衛型のこけしの顔は穏やかで端正な表情が良い。

今晃24 -2

 原は仙台のカメイコレクションの中にある古作の復元である。この古作の木地は縦に細かい筋が入っているという。今さんはその雰囲気をより忠実に近づけるために材料を堅く加工し難い楢材を選んだと聞いている。私の記憶では楢材で作ったこけしを手にするのは初めてである。軽く握ってみると、微妙に木目の凹凸感があり、木地が堅く密度が大きいために、同サイズのこけしを手に取ったときと重さの感覚が明らかに違っている。ずっしりとした重みが手に伝わって来る。

今晃24 -1
 
 数十年の時を経た「斎藤幸兵衛」のこけしと対峙し、時の流れが作り上げた味わいまでも写し取ろうとする工人の貪欲さを垣間見た気がする。

こけしの話348

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今 晃23 明太郎型

今 晃23 明太郎型

 10月に入り紅葉が気になっていた。3連休の中日(10月8日)に天気が回復する見込みだったので、早朝に起き出し八ヶ岳連峰の北端に位置する蓼科山に向かって出発した。

今晃23 -4

 蓼科山は標高が2,531mで諏訪富士と呼ばれ美し山容に憧れ以前から登ってみたいと思っていた山である。広い頂は全体的にゴロゴロと大きな岩が転がり歩きずらい。この日は晴天に恵まれ360度の展望が楽しめた。北アルプスの穂高や槍ヶ岳がはっきりと見え、南アルプスの北岳や甲斐駒ヶ岳、そして蓼科山から続く八ヶ岳連峰、秩父の山々などが見渡すことができた。
 7合目の登山口から登りはじめ、標高を上げてゆくほどに、白樺やカラマツの柔らかな黄の中に、サクラやモミジがほんの少しアクセントのように鮮やかな赤に色付いている。私は秋色に染まりながら5時間ほどかけ登山道をゆっくりと往復した。

今晃23 -2

 今日、紹介するこけしは今晃さんの間宮明太郎型で大きさは5寸1分、制作時期は平成12年7月である。肩が張り、造り付の胴に丸い頭が乗っている。胴模様は首の周りと裾に赤と紫色でロクロ線が引かれ、一葉の紅いモミジを軽快な筆で描いている。

今晃23 -1

 頭頂はまん丸でロクロを使わずフリーハンドで引いた線が柔らかく、両耳をタツノオトシゴ状に描き、左耳の方が小さく不揃いであるが気になるほどではない。眉と目が少し下がり気味で大きな鼻とムスッと結んだ口が何処となく仏頂面の中年オヤジの雰囲気で、それがこのこけしの面白味になっている。

今晃23 -3

 今、荒川洋一さんのオヤジ顔のこけしと今晃さんのオヤジ顔のこけしを2つ並べて眺めている。どちらも眉が下がり、充分過ぎるくらいオヤジ顔という形容がピッタリとしているこけしであり、ついつい私は目と目を合わせ微笑んでしまう時がある。

こけしの話347

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今 晃22 長谷川辰雄型

今 晃22 長谷川辰雄型

 今日も1日中曇り空で時折雨がぱらついた。気温はあまり上がらなかったが、湿度が高く過ごし難かった。テレビでは夏野菜の価格が高騰しているというニュースを流している。

今晃22-1 81回辰雄型4寸

 今さんは昭和50年2月に青森県大鰐の長谷川辰雄のもとに弟子入りした。

 今日は、その今さんの師である長谷川辰雄型のこけしを紹介する。大きさは4寸で制作時期は平成29年4月である。今回の作品の原となる長谷川辰雄のこけしは仙台のカメイコレクションの中にあり、そのこけしを復元している。

今晃22 81回辰雄型4寸-2

 小寸の造り付で、太めの胴の木地は少し粗い仕上がりになっており、触れると木肌のザラっとした感触が指に伝わってくる。胴の上下には内側から赤、緑、紫の順にロクロ模様が引かれ、胸の高さの位置に赤い帯を締め、裾には緑と赤の染料で重ね菊が描かれている。オカッパ頭で、少し下がり気味の眉と目、小さな二筆の口、何処となくあどけない北国の少女の顔に映り、目の下には丸いピンクの頬紅が塗れ愛らしさを増している。

今晃22-2 81回辰雄型4寸

 後姿は師長谷川辰雄が描いた津軽のこけしと同じように赤い帯の端が裾まで届いている。暑い夏、風に吹かれヒラヒラと靡く帯の端を想い浮かべながら眺める時がある。

こけしの話344

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今 晃21 デフォルメされた幸兵衛型

今 晃21 幸兵衛型

 ここ何日か台風5号の影響で蒸し暑く、はっきりしない天気が続いている。7月下旬から昨日まで使わずに過ごしていたエアコンを今日から再び使い始めた。

今晃21-2

 先日、筑波山に登りアサギマダラに出会った話を紹介したが、筑波山登山の本当の目的は、6月に登った時にはまだ蕾だったイワタバコの花を見たいと思ったからである。イワタバコは女体山直下に垂直に立っている岩にしがみ付くようにして薄紫色の優しい花をつけていた。

今晃21-1

 今日、紹介するこけしは今晃さんの幸兵衛型、制作時期は平成元年4月ごろで、大きさは8寸である。造り付の太めの木地、胴模様は上と下、そして胸のあたりにロクロ線がシンプルに引かれ、その内側に牡丹の花が一輪描かれている。その牡丹の花は肩の力を抜いて描いたのだろうか、観るものを和ませるフワッと柔らかい筆使いである。

今晃21

 この幸兵衛型は髷を結いふっくらとした輪郭をしており、目は眼点が力強く打たれ、キリッとした線で鼻と口が描かれているが、今まで津軽系の多くの工人が作ってきた幸兵衛型ではなく、デフォルメされた雰囲気が、このこけしの魅力となっている。私好みの今さんらしい幸兵衛型である。

こけしの話341

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