2017-10

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今 晃23 明太郎型

今 晃23 明太郎型

 10月に入り紅葉が気になっていた。3連休の中日(10月8日)に天気が回復する見込みだったので、早朝に起き出し八ヶ岳連峰の北端に位置する蓼科山に向かって出発した。

今晃23 -4

 蓼科山は標高が2,531mで諏訪富士と呼ばれ山容が美しく、以前から登ってみたいと思っていた山の一つである。広い頂は全体的にゴロゴロと大きな岩が転がり歩きずらい。この日は晴天に恵まれ360度の展望が楽しめた。北アルプスの穂高や槍ヶ岳がはっきりと見え、南アルプスの北岳や甲斐駒ヶ岳、そして蓼科山から続く八ヶ岳連峰、秩父の山々なども見渡すことができた。
 7合目の登山口から標高を上げてゆくほどに、白樺やカラマツの柔らかな黄色、サクラやモミジの鮮やかな赤、私は秋色に染まりながら5時間ほどかけ登山道をゆっくりと歩いた。

今晃23 -2

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作品で大きさは5寸1分、間宮明太郎型で制作時期は平成12年7月である。肩が張り、造り付の胴に丸い頭が乗っている。胴模様は首の周りと裾に赤と紫色でロクロ線が引かれ、一葉の紅いモミジを軽快な筆で描いている。秋が深まりゆく蓼科山で見たモミジと想いが重なってくる。

今晃23 -1

 頭頂はまん丸でロクロを使わずフリーハンドで引いた線が柔らかく映り、耳はタツノオトシゴ状に描き左側がやや小さい。眉と目が少し下がり気味で大きな鼻とムスッと結んだ口が何処となく仏頂面をした中年オヤジの雰囲気で、それが面白い。

今晃23 -3

 今、荒川洋一さんのオヤジ顔のこけしと今晃さんのオヤジ顔のこけしを2つ並べて眺めている。どちらも充分過ぎるくらいオヤジ顔という形容がピッタリとしている。

こけしの話347

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今 晃22 長谷川辰雄型

今 晃22 長谷川辰雄型

 今日も1日中曇り空で時折雨がぱらついた。気温はあまり上がらなかったが、湿度が高く過ごし難かった。テレビでは夏野菜の価格が高騰しているというニュースを流している。

今晃22-1 81回辰雄型4寸

 今さんは昭和50年2月に青森県大鰐の長谷川辰雄のもとに弟子入りした。

 今日は、その今さんの師である長谷川辰雄型のこけしを紹介する。大きさは4寸で制作時期は平成29年4月である。今回の作品の原となる長谷川辰雄のこけしは仙台のカメイコレクションの中にあり、そのこけしを復元している。

今晃22 81回辰雄型4寸-2

 小寸の造り付で、太めの胴の木地は少し粗い仕上がりになっており、触れると木肌のザラっとした感触が指に伝わってくる。胴の上下には内側から赤、緑、紫の順にロクロ模様が引かれ、胸の高さの位置に赤い帯を締め、裾には緑と赤の染料で重ね菊が描かれている。オカッパ頭で、少し下がり気味の眉と目、小さな二筆の口、何処となくあどけない北国の少女の顔に映り、目の下には丸いピンクの頬紅が塗れ愛らしさを増している。

今晃22-2 81回辰雄型4寸

 後姿は師長谷川辰雄が描いた津軽のこけしと同じように赤い帯の端が裾まで届いている。暑い夏、風に吹かれヒラヒラと靡く帯の端を想い浮かべながら眺める時がある。

こけしの話344

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今 晃21 デフォルメされた幸兵衛型

今 晃21 幸兵衛型

 ここ何日か台風5号の影響で蒸し暑く、はっきりしない天気が続いている。7月下旬から昨日まで使わずに過ごしていたエアコンを今日から再び使い始めた。

今晃21-2

 先日、筑波山に登りアサギマダラに出会った話を紹介したが、筑波山登山の本当の目的は、6月に登った時にはまだ蕾だったイワタバコの花を見たいと思ったからである。イワタバコは女体山直下に垂直に立っている岩にしがみ付くようにして薄紫色の優しい花をつけていた。

今晃21-1

 今日、紹介するこけしは今晃さんの幸兵衛型、制作時期は平成元年4月ごろで、大きさは8寸である。造り付の太めの木地、胴模様は上と下、そして胸のあたりにロクロ線がシンプルに引かれ、その内側に牡丹の花が一輪描かれている。その牡丹の花は肩の力を抜いて描いたのだろうか、観るものを和ませるフワッと柔らかい筆使いである。

今晃21

 この幸兵衛型は髷を結いふっくらとした輪郭をしており、目は眼点が力強く打たれ、キリッとした線で鼻と口が描かれているが、今まで津軽系の多くの工人が作ってきた幸兵衛型ではなく、デフォルメされた雰囲気が、このこけしの魅力となっている。私好みの今さんらしい幸兵衛型である。

こけしの話341

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今 晃20 3本の引眉のこけし

今 晃20 引眉のこけし

 私が子供の頃に観た古い時代劇では、女優は歯を黒く塗り(お歯黒)眉を剃って(引眉)演じるのが普通だった。白黒の画面の中で観る映像は、黒い歯と眉を剃った女優が口を動かす度に、薄気味悪く感じ子供心に異様に映っていたことを思い出す。
 最近では三谷幸喜の映画「清須会議=2013年に公開」の中で鈴木京香がお市の方、剛力彩芽が織田信忠の奥方松姫に扮し、引眉とお歯黒で役を演じていた。

今晃20-1(引眉こけし)

 今日、紹介するこけしは今さんの作品で、大きさは4寸である。昨年の8月、ヤフオクに今回のこけしと同手の物が2本、3本と纏めて何組か出品されていた。その中の1組を落札したものである。3本とも眉を薄墨で描いていおり、何時頃の作かも、原の有無も分からないまま、その中から1本だけ出し棚に飾り眺めていた。

今晃20(引眉こけし)

 その後、私と同じ時期に落札したと思われるこけしが、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜(2016年10月3日)」で「引眉こけし」と題されて紹介されているのを見つけた。その中では木村弦三のコレクション中にある島津彦作のこけしを原にしていると思われることや「引眉」の意味や歴史にについて語られていた。

今晃20-2(引眉こけし)

 最近、「木おぼこ・今晃」(2017年3月18日)の中に、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜」で紹介された引眉こけしについて取り上げられ大いに参考になった。本作は平成元年5月23日に作られた島津彦作型で、この時以外に薄墨で引眉を描いた彦作型は作っていないことや今さん自身は引眉こけしを作った経緯について記憶が曖昧になっていることなどに触れられている。
 
 このグロテスクにさえ見える今さんの引眉こけしについて、靄がかかっていた謎の部分が少しだけ解けたことで、愛着と面白味が増して行くと感じた。

こけしの話332

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今 晃19 松山庭園美術館2

今 晃19 松山庭園美術館2

 千葉県匝瑳(そうさ)市の松山庭園美術館の館長である此木三紅大(コノキ ミクオ)氏は昭和12年に東京都の北区に生まれ、今年で80歳になる。中学1年から油絵を始め、18歳の時には独立展に入選し、武蔵野美術大学卒業後にローマの美術大学に留学している。
 此木三紅大氏の作品を収蔵する「那須高原 私の美術館」のHPのプロフィールを読むと、若くして注目され、作品は具象、抽象を問わず、絵画・彫刻・ステンドグラス・陶芸などジャンルの幅が広いことが分かる。

今晃19-2

 先月、第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るために松山庭園美術館を訪ねた時には、此木先生は大きな身体を折り曲げるようにして広い庭の中で黙々と草取りをしており、微笑ましく感じた。また、この美術館には猫が何頭も飼われている。その猫達が時々テレビで放映されることがあり、広い庭を歩き回る猫、展覧会の会場の椅子に乗り悠々とお昼寝をするネコなどを見るのを楽しみに来場する人もいる。

今晃19-1

 今日、紹介する今晃さんのこけしは、大きさが7寸5分で、制作時期は昭和62年2月である。段のついた肩、細長い胴は少し裾が広がっている。白い木地に墨彩画のように紅い梅の花が正面に3輪、側面に1輪描かれている。

今晃19-3

 面長な頭に疎らな髪、顔は長い眉と切れ長の眼、鼻は2筆で細長く描かれ、口は少し開いている。このこけしを手にしたとき、最初に持った印象は細く切れ長の眼から怒りの形相を感じ取ったが、時々、机の上に置いて眺めているうちに、見る角度によっては円空仏のように微笑んでいるようにみえ慈悲の世界に誘われてゆくような錯覚をおぼえることがある。

こけしの話331

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