2017-08

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今 晃21 デフォルメされた幸兵衛型

今 晃21 幸兵衛型

 台風の影響で蒸し暑く、はっきりしない天気が続いている。7月下旬から昨日まで使わずに済んでいたエアコンを再び使い始めている。

今晃21-2

 先日、筑波山に登りアサギマダラに出会った話を紹介したが、筑波山登山の本当の目的は、6月に登った時にはまだ蕾だったイワタバコの花を見たいと思ったからである。イワタバコは女体山直下に垂直に立っている岩にしがみ付くようにして薄紫色の優しい花をつけていた。

今晃21-1

 今日のこけしは今晃さんの幸兵衛型で、制作時期は平成元年4月ごろである。造り付で太めの木地に、胴模様は上と下、そして胸のあたりにロクロ線が引かれており、その内側に牡丹の花が一輪描かれている。牡丹の花は肩の力を抜いたようなフワッとした筆使いで観るものを和ませてくれる。

今晃21

 この幸兵衛型は髷を結いふっくらとした顔にキリリとやや力強い線で目鼻が描かれているが、今まで津軽系の工人が作ってきた幸兵衛型ではなく、デフォルメされた雰囲気が魅力的であり、私好みの今さんらしい幸兵衛型になっている。

こけしの話341

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今 晃20 3本の引眉のこけし

今 晃20 引眉のこけし

 私が子供の頃に観た古い時代劇では、女優は歯を黒く塗り(お歯黒)眉を剃って(引眉)演じるのが普通だった。白黒の画面の中で観る映像は、黒い歯と眉を剃った女優が口を動かす度に、薄気味悪く感じ子供心に異様に映っていたことを思い出す。
 最近では三谷幸喜の映画「清須会議=2013年に公開」の中で鈴木京香がお市の方、剛力彩芽が織田信忠の奥方松姫に扮し、引眉とお歯黒で役を演じていた。

今晃20-1(引眉こけし)

 今日、紹介するこけしは今さんの作品で、大きさは4寸である。昨年の8月、ヤフオクに今回のこけしと同手の物が2本、3本と纏めて何組か出品されていた。その中の1組を落札したものである。3本とも眉を薄墨で描いていおり、何時頃の作かも、原の有無も分からないまま、その中から1本だけ出し棚に飾り眺めていた。

今晃20(引眉こけし)

 その後、私と同じ時期に落札したと思われるこけしが、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜(2016年10月3日)」で「引眉こけし」と題されて紹介されているのを見つけた。その中では木村弦三のコレクション中にある島津彦作のこけしを原にしていると思われることや「引眉」の意味や歴史にについて語られていた。

今晃20-2(引眉こけし)

 最近、「木おぼこ・今晃」(2017年3月18日)の中に、「こけし千夜一夜物語Ⅱ124夜」で紹介された引眉こけしについて取り上げられ大いに参考になった。本作は平成元年5月23日に作られた島津彦作型で、この時以外に薄墨で引眉を描いた彦作型は作っていないことや今さん自身は引眉こけしを作った経緯について記憶が曖昧になっていることなどに触れられている。
 
 このグロテスクにさえ見える今さんの引眉こけしについて、靄がかかっていた謎の部分が少しだけ解けたことで、愛着と面白味が増して行くと感じた。

こけしの話332

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今 晃19 松山庭園美術館2

今 晃19 松山庭園美術館2

 千葉県匝瑳(そうさ)市の松山庭園美術館の館長である此木三紅大(コノキ ミクオ)氏は昭和12年に東京都の北区に生まれ、今年で80歳になる。中学1年から油絵を始め、18歳の時には独立展に入選し、武蔵野美術大学卒業後にローマの美術大学に留学している。
 此木三紅大氏の作品を収蔵する「那須高原 私の美術館」のHPのプロフィールを読むと、若くして注目され、作品は具象、抽象を問わず、絵画・彫刻・ステンドグラス・陶芸などジャンルの幅が広いことが分かる。

今晃19-2

 先月、第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るために松山庭園美術館を訪ねた時には、此木先生は大きな身体を折り曲げるようにして広い庭の中で黙々と草取りをしており、微笑ましく感じた。また、この美術館には猫が何頭も飼われている。その猫達が時々テレビで放映されることがあり、広い庭を歩き回る猫、展覧会の会場の椅子に乗り悠々とお昼寝をするネコなどを見るのを楽しみに来場する人もいる。

今晃19-1

 今日、紹介する今晃さんのこけしは、大きさが7寸5分で、制作時期は昭和62年2月である。段のついた肩に細長い胴は裾が少し広がっている。白い木地に墨彩画のように紅い梅の花が正面に3輪、側面に1輪描かれている。

今晃19-3

 頭は少し面長で、胴とのバランスが良い。顔は長い眉と切れ長の眼、鼻は2筆で細長く描かれ、口は少し開いている。このこけしは細く切れ長の眼から怒りを含でいるような印象を持ったが、時々、机の上に置いて眺めているうちに、観る角度によって円空仏のように微笑んでいるように感じるようになった。

こけしの話331

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今 晃18 新緑の松山庭園美術館

今 晃18 新緑の松山庭園美術館

 千葉県匝瑳(そうさ)市にある松山庭園美術館を訪ねた。第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るためである。いつもの年は5月に入ってから行くことが恒例になっていたが、今年は展覧会の初日(4月21日(金))に行くことにした。入口で入館料を払い、長屋門を潜ると庭園には芽吹きはじめたヤマモミジやふっくらと軟らかそうな黄緑色の苔の中に、此木三紅大(コノキ ミクオ)氏が制作したユーモラスな顔をした石像が何体も置かれている。

今晃18-2

 幸運にも、今年はいつもより早い時期に出掛けたので、自然の環境に近い状態で栽培されているアツモリソウやアマドコロなど、春に咲く山野草に出会うことができた。

今晃18-1

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作品で大きさは8寸2分、造り付で肩が張っており、胴の中ほどが少し括れている。白い木地の裾のあたりに上に向かって口を開けたように、咲き出そうとする赤い花が1輪描かれている。牡丹の花だろうか。頭は小さく先端が尖っていてバサッとした髪形をしている。墨一色で描かれた顔は人間味のある表情しており、どことなくユーモラスで親しみが伝わってくる。

今晃18

 松山庭園美術館では様々な作家が描いた猫の絵、此木氏のユーモラスな彫刻や絵画、庭の樹々をゆっくりと眺め、活力を頂いてきた。

 家に戻ってから、今さんのこけしを何本か机の上に並べてみた。そしてそれらを眺めながら、今さんのこけしと此木氏の彫刻や絵画の世界には「童心」という言葉が一番良く似合うと私は改めて実感した。

こけしの話330

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今 晃17 春を想う時

今 晃17 桜色
 
 全国で桜が開花したというニュースが流れている。桜の花は厳しい寒さに一度は晒されると開花が早くなることを最近になって知った。私が住む鹿島灘沿いの温暖な土地は穏やかで寒さはゆるい。通勤ルートのソメイヨシノの蕾はまだ固く閉じたままになっているのも納得ができる。明日はかなり暖かくなるらしい。桜の開花が期待できるような気がする。

今晃17-1

 今さんの作品の中に、淡いピンクに塗った胴に桜の花びらを散らしたものがある。我が家にも1本あったような気がして、箱から取り出して包みを解いてみると、胴は淡い桜色の染料で塗られていたが花びらは描かれてなく、私の記憶違いであった。

今晃17

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作で大きさは4寸、制作時期は平成5年である。胴はくびれ末広がりで、盛秀太郎さんのこけしのような形をしている。胴の模様は肩と帯、裾に赤、緑、紫の3色で細い線が引かれ、その中に淡い桜色の染料が塗られて、幼児のようにあどけなく愛らしい顔が描かれている。この小さなこけしを手に取って眺めてみると、心なしか掌に春の暖かさが伝わって来た。

こけしの話326

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