2017-05

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佐藤誠5 梅吉型こけし

 佐藤誠5 梅吉型こけし

 佐藤誠は昭和34年に家族と再会する。

 時が流れ、光良は急に父のこけしが気になり「私は、ほんとうに父のことを語ってはこなかったのではあるまいか。」深夜に押入れのおもちゃ箱を探す。「さがしていたこけしは、散乱するおもちゃに埋もれるようにしてころがっていたのである。」

 「父が復元したという故藤井梅吉型は、白木地、無彩の、清楚で静かなたたずみをかもすこけしである。顔のある梅吉型でさえも、赤、青、黄、緑、紫などのロクロ模様で色どられるにぎやかな弥治郎系こけしとはきわめて対照的であり、顔の微笑みもどこかひかえめで、寂しげだ。」佐藤光良作品集・父のこけしより。

佐藤誠5-4

 今日は佐藤誠工人の藤井梅吉型を紹介する。大きさは6寸4分で角ばった頭、黒一色の蛇の目、前髪や手絡は描かれていない。無彩の胴は首が緩く動きキナキナのような形態をしている。制作時期は不明ではあるが昭和40年代の作と思われる。

佐藤誠5-3

 数奇なこけし工人佐藤誠とその家族を描いた小説、「佐藤光良作品集・父のこけし」のページを捲ると佐藤誠が作った梅吉型の口絵(私のブロゴに掲載していないので恐縮だが)がある。本作のこけしとその口絵を比較すると角ばった頭部は、より平頭になり横鬢は太く短い。目は三日月型ではなく、なだらかな傾斜の小山を思わせる三角形の眼に黒目が大きく描かれている。梅吉型の復元をはじめて間もない時期のものかも知れない。無骨な魅力がある。

こけしの話333

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佐藤裕介8 誠型のこけし

佐藤裕介8 誠型のこけし

 国道の渋滞を避け脇道を走ると田植えが始まっていた。田圃の中に田植え機が入り作業をしている。この風景を見ると季節の移り変わり感じる。植えたばかりの稲は細く弱々しいが、根付いて5月に入り気温が上がってゆけば、根が土の中の栄養を吸収し分蘖(ぶんげつ)期に入り株が別れが始まり逞しく成長する。

佐藤裕介8-2

 前回のブログで「木地処さとう」で使っている赤城産のこけしの原木に触れた。東日本大震災の時に放射能の影響を避けいわき市から群馬に避難していたことがあり、それが縁で群馬産のミズキの原木を送って頂いたと。その話題から3日後の4月13日に、九州地方を震度7の激震が襲った。最近、地震や大雨などの自然災害が以前より増えているように感じるのは気のせいだろうか。

 5年前に経験した東日本大震災を振り返ると、私は発電所の復旧に追われ昼夜を問わず働き、休日は乗用車の給油に並び食料や電池を購入するために奔走した。津波の被害が少なかったので震災から1ヵ月が過ぎたあたりから生活や仕事が落ち着きを取り戻し始めたように記憶する。

佐藤裕介8-1

 震災の緊張した生活から平静に戻り行く中で、何故か心の中にポッカリと穴のようなものが空いてしまったように感じた。その穴を少しずつ埋めたくて、私は「こけしの話」のブログを始める切っ掛けになった。こけしや風景の写真を摂り拙い文章を考え5年の歳月が過ぎようとしている。

佐藤裕介8

 前回に続き今日のこけしも佐藤裕介作で大きさは6寸、制作時期も前作と同じ平成25年7月である。祖父、誠型のこけしで造り付の太い胴をしており、かなりボリューム感がある。裾と襟にロクロ模様が引かれ、襟と裾の間に2輪の菊の花が手慣れた筆で描かれている。スーッと鼻筋が通り、ほんのりと淡い頬紅、点の様に紅い小さな口が品良く澄また顔に映っている。

こけしの話285

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佐藤裕介7 栄治型の枝梅のこけし

佐藤裕介7 栄治型の枝梅のこけし

 桜の花も終わり、私が住む周辺の田圃ではトラクターの農機具が入り田植えの準備が始まっている。畦道や畑の隅には菜の花系の黄色い花が目立ちウォーキングの目を楽しませてくれる。

佐藤裕介7-2

 平成26年1月に「木地処さとう」を訪ねてから久しい時が流れた。工房の駐車場の片隅に山積みされていた赤城産の「みずき」が乾燥しこけしに生まれ変わる時を楽しみにしていたのになぜか足が遠のいてしまった。

佐藤裕介7-1

 「木地処さとう」のホームページでは細い原木で1年、太いものでは2年から3年位かかるとあり、この時、私が見た原木も乾燥が終わり、今、愛らしいこけしを作っているところかも知れない。この赤城産の原木は5年前の震災で、福島原発事故の放射能の影響を避け「木地処さとう」のご家族はいわき市から群馬県に一時避難していた事がある。それが縁となり赤城産の原木を送って頂いているとお聞きした。

佐藤裕介7

 前回のブログで 「木地処さとう」の初代「佐藤誠」のこけしを取り上げたので、今日は孫の裕介さんの栄治型の造付枝梅こけしを紹介する。大きさは7寸2分、胴底に作者の筆で平成25年7月と記されている。胴と両耳には濃い紅色で紅梅の花が描かれ、ほんのりと頬紅、うっとりとした眼、弥治郎の小倉系の甘い伝統の顔をしたこけしである。

 この、裕介さんのこけしを眺めながら近々「木地処さとう」を訪ねてみたいと思った。 

こけしの話284

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 佐藤誠4 顔料で描いたこけし

 佐藤誠4 顔料で描いたこけし

 4月に入ったが、昨日、今日寒かった。香取神宮の桜の様子を聞いたら、まだ一分咲から三分咲で、満開になるにはまだ時間がかかるとの事だった。夕方、少し晴れ間が覗いたので息栖神社まで行き散歩した。薄暗い参道を歩き古木の満開の花を一人で楽しんだ。

佐藤誠4-2

 今日は佐藤誠工人のこけしを紹介する。木地の形態の面白味と小倉家の流れをくんだ甘い顔の描彩に惹かれ購入した。大きさは6寸5分で少木地にし染みが出ており、胴は臙脂と緑と黄色の3色でロクロ模様が描かれている。

佐藤誠4-1

 その絵の具の材料がこけし工人の使う染料では無く塗料のような顔料を使っているのでほとんど褪色がなく不自然な艶があり毒々しい。頭部のベレー帽の下の房飾りは写真でみても盛り上がっているように見える。胴を指で触れると微かに木地とロクロ模様の間に段差を感じる。

佐藤誠4

 この顔料を使っていた時期はいつ頃だろうか。鳴子の工人も同じような顔料を使ったことがあると何かの書物で読んだことがあり探してみたが見つからなかった。

こけしの話283

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佐藤裕介6 ロクロ模様

佐藤裕介6 ロクロ模様のこけし

 「木地処さとう」の駐車場にしている空地に木材のような板状のものが沢山積んであった。美喜子さんの話では赤城の避難生活が縁で知り合った方から赤城産の「みずき材」を送って貰い乾燥させているそうだ。震災では大変な思いもしたが、ある面では「木地処さとう」の世界が広くなったと話をしておられた。

佐藤裕介6-2

 今回「木地処さとう」で購入したこけしの中で私の一番のお気に入りは、大きさは6寸で胴は赤と黄と緑の3色のロクロ模様、微かに裾の方が広がっている。少し角張った頭に緑色のベレー帽を被り顔は細い筆使いで目鼻を描いている。笑ったような口が甘い雰囲気を醸している。何と言ってもバランスのいい立ち姿が気に入っている。

佐藤裕介6-1

 胴底には平成26年1月と記されおり年が明けてから作られたこけしだ。1月8日の「夏井裕こと裕介の描く日々」の中に、このこけしの写真と裕介工人の句が掲載されていた。

 「酒呑みは 寒さを忘れ 冬の雨」

佐藤裕介6
 
 今日は4月ぐらいの陽気になると言っていたが曇空のせいか期待外れ、相変わらず1日中炬燵から離れられなかった。夜の晩酌は炬燵で良く冷やしたシャルドネ種の白ワインを飲み裕介工人のこのこけしを眺めている。酔いが回った頭で赤城の山から来た「みずき」から新しいこけしが生まれるのはいつの日だろうかと思いながら。


こけしの話169


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