2018-04

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荒川洋一103 武井型善吉

荒川洋一103 武井型善吉

 朝方、肌寒い風が吹いていた。我が家の南側の庭ではイブキジャコウソウの花が咲き始めていた。ウォーキングの足を止めシャッターを切り、小さなピンクの花をカメラに収めた。

荒川洋一103-2
 
 会津若松市湊町に工房を構える荒川さんを訪ねたのは先月の23日である。今日、紹介するこけしは、その時、譲って頂いたもので、「この型は、あまり作らないから。首が長いんだ。」と言って、先日、紹介した亥一型と同じように、いつものこけしが入っている箱とは別に奥様が出して下さった作品である。

荒川洋一103-1

 武井型の善吉で大きさは5寸2分である。上差し込み型(頭を胴に差し込む)ではあるが胴と頭がピッタリとくっ付く構造ではなく、差し込みを少し長くつくり、首が5mmぐらい見えるようになっている。角張った顔に、立派な獅子鼻が置かれ、短い眉と目の相性がバランスを欠きユーモラスで何処となくオヤジ顔に見える。

荒川洋一103

 荒川さんと武井型善吉との歴史は古い。昭和47年に善吉型の復元を願い出て、師芳藏から作ることを許された。同じ年に、蒐集家(都筑祐介氏)の勧めで武井武雄版画集の「こけし愛藏図譜」の中に掲載されている善吉型の復元が始まり、高い評価を得ている。翌年には武井版画の復元作が、三寸という小寸にもかかわらず「鳴子のこけしコンクール」で入賞を果たしている。

 オヤジ顔の武井型の善吉は、幾つか持っているが、この首の長い武井型は初めてであり、机の上に置き季節が夏に変わるころまで、毎日眺めていようと思っている。

こけしの話359
 
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荒川洋一102 氏家亥一型の謎

荒川洋一102 氏家亥一型の謎

 先日(3月23日)、会津若松の荒川さんの工房を訪ねた。白河から国道294号線を会津方面に向かうと3つのトンネルがある。トンネルを1つ超えるごとに雪が深くなって行く。世間では桜の開花が話題になっている時期に、荒川さんが住む会津若松市湊町周辺は、まだ、山も水田も一面の雪に覆われていた。
 
荒川洋一103-2

 出迎えて下さった荒川さんは、屋根から落ちて背丈より高く積もっている雪を指さし「融けて消えるのは、あと一ヶ月は掛かるかな。5月の連休ぐらいだ。」と仰っていた。

荒川洋一102-1

 今日、紹介するこけしは氏家亥一型である。玄関で挨拶し居間に通されると、お茶よりも先に奥様が「新しいの、お父さんが作ったから。」と言ってビニールの袋に入った亥一型こけしを出して下さった。

 大きさは5寸8分で、胴に比べ頭が大きく、三日月形をした眉と目に写実的な鼻が描かれ、口はキリット結んで品の良い顔をして、胴模様は赤と紫の染料でロクロ線が引かれている。

 荒川さんがお茶を飲みながら、このこけしについて説明をして下さった。原の胴模様は、赤色のロクロ線しか残っておらず、会津若松にある技術支援センター(ハイテクプラザ)に分析を依頼して調べてもらったが、何色の染料を使っていたか解析出来なかったという。そこで、荒川さんは赤い染料でロクロ模様を復元し、赤と赤の間に残った白木地に、想像で紫の染料を使ってロクロ模様を入れて完成させたという。

荒川洋一102

 この、亥一型の写しは、前髪や横鬢が難しかったという。理由は筆使にある。一般のこけし工人の筆と異なり「(善吉作と言われることもあるが)技法的に日本画の心得がある工人が描いた。」ものではないかという疑念が生まれていると仰っていた。
 
 2年前(平成28年)に荒川さんの工房を訪ねたときも、蒐集家のK氏に依頼された尺1寸の氏家亥一型のこけしを前にして「髪の描き方が違うな。」と呟いていたことをも思い出す。

荒川洋一102-3

 以前「こけしの話245」で紹介した平成19年作の氏家亥一型と並べてみると、髪の毛を描いた筆使いの違いが歴然としている。巷では「写楽の謎」で盛り上がることがあるように、「亥一名義のこけしは誰が描いたのか?」という話題で盛り上がる日が来るかも知れないと、勝手に夢想しながら眺めるのも面白い。

こけしの話358

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荒川洋一101 電話

荒川洋一101 電話

 昨晩からの強い雨で、庭の椿や姫コブシの花が散ってしまった。庭の掃除を終え、ウォーキングに出てみると、近所のホテルの庭に植えてあるソメイヨシノの花が咲き始めていた。

荒川洋一101-2

 私は明日(3月23日)荒川さんの工房を訪ねる。何点か荒川さんの作品に付いて教えて頂きたいことがあり、棚に飾らず段ボールに入れておいたこけしを取り出してみた。手に取り包み紙を開いてみると、顔に黄色いシミが出ているものもあり保存状態の悪さにショックを受けてた。

 今日、紹介するこけしは、その中の一つ、荒川洋一さんの善吉型で大きさは8寸、制作時期は平成15年頃である。顔のシミが痛々しい。

荒川洋一101-1

 顔は少し面長で、淡いピンクの染料で隈取られた中にギョロリとした紡錘形の眼が描かれ、獅子鼻にキリッと小さく口を結んでいる。荒川さんの60代の作品で、筆使いに力があり、タコ坊主の魅力を凝縮している。

荒川洋一101

 夕方、「明日(都合)は大丈夫ですか。」と再確認の電話を入れ、雪など道路の状況も尋ねた。荒川さんにお会いするのは、昨年の「山河之響の会」以来であり、明日の夜明けが待ち遠しく感じる。

こけしの話357

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荒川洋一100 植木型

荒川洋一100 植木型

 今年も終わろうとしている。昨日は年末の恒例にしている筑波山の登山をおこなった。筑波山神社の駐車場に車を止め、初詣の準備が整っている神社の横を通り、白雲橋の登山コースを選び登り始めた。このルートは女体山の山頂までの標高差が620mあり、スギやモミ、アカガシなどの樹林を歩き、広葉樹林に変わるころから、弁慶七戻りような奇岩や巨石が続き、変化に富み面白いコースである。頂上ではスカイツリーや富士山が遠く霞がかかった中に眺めることができた。

荒川洋一100-3

 今日、紹介するこけしは、先月「書肆ひやね」で開催されていた第10回「山河之響の会」で、私が3本目に選んだ荒川洋一さんのこけしで「植木型」と呼んでいる。大きさは5寸である。

荒川洋一100-1

 形態は造り付けでスリムであり、隈取の中の目はタコ坊主にしては細く、「荒川さんの化身」のような雰囲気が出ているこけしである。初めて工房を訪ねた時、この同手のこけしを手に取り眺めているうちに「荒川さんに似ている。」と感じ、それ以来、荒川さんの自画像を観ているようで親しみがある。     

荒川洋一100

 工房を訪ねた時やヤフオクなどで、機会ある毎に同手の「植木型」を購入し、新旧、何本か取り出しは机の上に並べ、ぼんやりと眺めることがある。

こけしの話354

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荒川洋一99 千代五郎型

荒川洋一99 千代五郎型

 神田の「書肆ひやね」で開催されていた第10回「山河之響の会」は昨日終了した。メンバーは昨年と同じで、荒川さんの他に、佐藤一夫さん、小笠原義雄さん、笹森淳一さん、桜井昭寛さん、鈴木明さんの6人である。「書肆ひやね」での開催は7回展から今回まで続いている。

荒川洋一99-2

 私達は山河之響の会を観て、東京駅に戻り、昼食は昨年食べたパスタの味が忘れられず、三菱一号館の中庭にあるレストラン「A-16TOKYOU(エーシックスティーントウキョウ)」で食べた。ビールを飲みながら濃いトマトソースのモッチリとした太めの麺を味わった。中庭にはクリスマスの飾り付けがしてあり、平日の午後にも拘わらず大勢の人々が往き来している。

荒川洋一99-3

 昼食の後はSKY BAS(スカイバス)、2階建てのバスに乗り、皇居の周辺や銀座をぐるりと一周した。街路樹のイチョウやケヤキは秋色に染まり、歴史的な建造物や都会の街並みと調和して美しく映えていた。妻と2人で、久しぶりにお上りさんとしての一時を楽しんできた。

荒川洋一99

 山河之響の会で2本目に選んだこけしは荒川さんの千代五郎型である。大きさは5寸で、胴は赤と黄色、緑の3色の団子を重ねているような形をしている。短めの髪に、反った二重瞼と赤い口が描かれていて、何処となく目を細め笑っているような少年の顔に映っている。

荒川洋一99-4

 以前、土湯温泉の「アサヒ写真館」で購入した同手のこけしを並べてみた。両方とも目を細めて笑っている。
 
 「アサヒ写真館」の千代五郎型は制作時期が平成19年で、本作とは10年近く時間の隔たりがあり、大きさや形態、描き方の違いがハッキリと見てとれる。原そのものが違っているのかも分からないが、私は2つ並べて、その相違を見比べながら、楽しむのも面白いと感じている。

こけしの話353

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