2017-04

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今 晃18 新緑の松山庭園美術館

今 晃18 新緑の松山庭園美術館

 千葉県匝瑳(そうさ)市にある松山庭園美術館を訪ねた。第14回「猫ねこ展覧会2017」を観るためである。いつもの年は5月に入ってから行くことが恒例になっていたが、今年は展覧会の初日(4月21日(金))に行くことにした。入口で入館料を払い、長屋門を潜ると庭園には芽吹きはじめたヤマモミジやふっくらと軟らかそうな黄緑色の苔の中に、此木三紅大(コノキ ミクオ)氏が制作したユーモラスな顔をした石像が何体も置かれている。

今晃18-2

 今年はいつもより早い時期に出掛けたので、自然に近い環境の中で栽培されているアツモリソウやアマドコロなど、幸運にも春に咲く花を見ることができた。

今晃18-1

 今日、紹介するこけしは今晃さんの作品で大きさは8寸2分、造り付で肩が丸く、胴の中ほどが少し括れている。白い木地の裾のあたりに上に向かって咲き出そうとしている赤い花が1輪描かれている。牡丹の花だろうか。頭は小さく尖っていてバサッとした髪をしており、墨一色で描かれた顔は人間味のある表情をしており、どことなくユーモラスで親しみを感じる。

今晃18

 松山庭園美術館では様々な作家が描いた猫の絵や此木氏のユーモラスな彫刻や絵画、庭の樹々をゆっくりと眺め、活力を頂いてきた。

 家に戻ってから、今さんのこけしを何本か机の上に並べてみた。そしてそれらを眺めながら、今さんのこけしと此木氏の彫刻や絵画の世界には「童心」という言葉が一番良く似合うと私は改めて実感した。

こけしの話330

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高橋精志16 ぺっけ

高橋精志16 ぺっけ
  
 私がこけしを集め始めたのは昭和52年ごろからである。当時、伝統こけしの入門書などを本を読むと、各系統の特徴やこけしの歴史、用語の解説などからはじまるものが多かった。
 小さな造り付のこけしに関して、「こげす(遠刈田)」「たちこ(鳴子)」「太子型(土湯)」など、形態の違いや呼び方の違いがあることを知ったのもその頃である。弥治郎では5、6寸の造り付で胴の中程が括れていて、裾が広がっている形をしたこけしを「ぺっけ」と呼んでいた。「ぺっけ(べっけ)」の意味を深く追求したことはないが、鹿鳴館時代に洋装をした婦人を模して作られたこけしだと言われている。

高橋精志16-1

 今日、紹介するこけしは高橋精志さんの作で大きさは6寸である。製作時期は胴底に62歳と記されているので昭和49年か昭和50年頃の作品である。造り付の胴には赤と緑、紫の3色でロクロ線が引かれ、染料が少し滲んでいる。頭の中心が赤色、外側が紫色のベレー帽を被り、前髪は描かれず大きめの赤い房飾りが3つ付いている。顔は一重瞼に大きな撥鼻で、二筆の口は小さく、頬紅が薄っすらと塗られ愛らしい。いかにも小倉嘉吉系の流れをくむこけしに仕上がっている。

高橋精志16

 この、精志さんのこけしをいわき湯本駅前のお土産屋さんで見つけたときには、伝統こけしの入門書から得た、覚えたての「ぺっけ」という言葉が頭に浮かび手に取ったことが鮮明に蘇る。姿形が典型的なぺっけであり、鮮やかな色彩の精志さんのこけしが脳裏に残っている。
 今、あらためて眺めてみると、軟らかい木肌にロクロ模様の染料が少し滲んでいる。あまり気にはならないが、最初に出会った時から滲んでいたのだろうか、それとも時間の経過とともに徐々に滲み出してきたものなのだろうかと、記憶を辿ってみたが思い出せない。40年の時が流れ、当時の鮮明な記憶と朧気な記憶が入り混じっていることを、この精志さんが作ったぺっけを眺めながら楽しんでいる。

こけしの話329

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岩本芳蔵9 本人型

岩本芳蔵9 本人型

 今日(4月8日)は香取神宮の桜を観に出掛けた。桜は満開だったが冷たい雨が降られ、鳥居を潜り参道を少し歩き引き返した。その後は何時ものように仲見世の一つ「うのcafe」に寄り、昔懐かしい中華ソバとコーヒーを注文した。今日は花よりも暖かいものが欲しい1日になってしまった。

岩本芳蔵9-2

 今日、紹介するこけしは岩本芳藏作の本人型で制作時期は不明ではあるが昭和20年代後半と想像する。大きさは1尺で、やや肩の張った胴の上部と裾に赤と緑のロクロ線が引かれ、大きな牡丹の花が4輪描かれている。椀型の頭頂の蛇の目は中心が黒い丸、その外側を赤い中太線、一番外を太い黒い線で描いている。前髪と横髪が描かれ、横髪は耳が隠れるほどの長さで下部をリボンのように赤い紐結んでいる。顔は丸鼻にキリット結んだ口、目と眉は左右大きく離れ、細く湾曲した三日月目をしている。日に焼けて褪色も進んでいるが、少しアンバランスな雰囲気が私好みである。

岩本芳蔵9-1

 芳藏さんが作る本人型や善吉型のこけしの目は、細い目、ギョロッと見開く大きい目、ほとんどが上下に膨れた紡錘形をしており、三日月型はあまり見かけない。

 私のブログ、こけしの話296(2016年8月7日)と327で紹介しているが、芳藏さんは磯谷直行型のこけしを作ったことがあり、その目は三日月型をしている。
 
岩本芳蔵9
 
 私の空想の世界だが、芳藏さんと父善吉との確執は心の中に何時までも深く残っていた。そして芳藏さんの少年時代に兄のように慕い、木地を教えてくれたことがある磯谷直行の早すぎる死を思い出すたびに寂しさがこみ上げて行く。その時に芳藏さんは父が作ったタコ坊主の大きな目を拒み、直行型の細い三日月型の目を描くことがあったのではないかと、このこけしを眺めながら迷想することがある。

こけしの話328

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荒川洋一94 磯谷直行型

荒川洋一94 磯谷直行型

 4月に入ったのに今日も気温は上がらない。厚手のコートを着ている人を見かける。友人から鹿島セントラルホテルの桜が咲き始めたとメールが届いた。澄んだ青空のもと、1分咲ぐらいだろうか、疎らに咲いている姿がいじらしい。

荒川洋一94-3

 荒川さんの略年譜の中に「こけし(タコ坊主)の創始者、岩本善吉、そして岩本芳藏に惹かれ四十有余年」とある。昭和45年に岩本芳藏に師事し芳藏型に専念し、昭和47年に善吉型の復元を許されてからは、数々の善吉の古作と向き合い成功をおさめている。また喜多方の小椋千代五郎、甚九郎や後継者の無い須賀川の松木朝臣などのこけしの復元も果たしている。

荒川洋一94-1

 今日、紹介するこけしは荒川洋一さんの磯谷直行型で大きさは8寸2分、背中には「愛玩鼓楽 発刊記念 三百の内 二六三」と記されている。荒川さんの略年譜では、昭和60年の項に「愛玩鼓楽 発刊記念に際し磯谷直行遠刈田風復元」とあり、鈴木鼓堂氏の所蔵品を原に復元している。

荒川洋一94

 昨年、荒川さんのご自宅にお伺した時に、私が所有している「岩本芳藏」の磯谷直行型の写真を持参し、芳藏さんの直行型に付いて知っていることをお聞きしたが、見たことも作っていたことも記憶にないとのことであった。磯谷直行型のこけしに関しては師芳藏と洋一さんの接点はなかったということが結論になる。

荒川洋一94-2

 以前、こけしの話296(2016年8月7日)で紹介した芳藏さんの直行型と荒川さんの直行型を2つ並べてみると、原の違いによるものであると想像するが、頭の大きさや手絡の向き、胴模様の描き方など大きく異なっていることがわかる。

 荒川さんは復元した当時、40代であり筆に勢いがある。写真などで観る直行型は角ばった大きな頭で厳つく感じていたが、手に取ってじっくり眺めてゆくうちに、キリッとした目や引き締まった口、品の良い健康的で溌剌としたこけしであるという印象に変わってきた。

こけしの話327

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今 晃17 春を想う

今 晃17 春を想う
 
 全国で桜の開花のニュースが流れている。桜の開花は厳しい寒さに一度は晒されないと開花が遅くなることを最近になって知った。私が住む鹿島灘沿いの温暖な土地は、冬は穏やかで寒さはゆるい。通勤ルートのソメイヨシノの蕾はまだ固く閉じたままになっているのも納得ができる。明日はかなり暖かくなるらしい。桜の開花が期待できるような気がしている。

今晃17-1

 今さんの作品の中に、淡いピンクに塗った胴に桜の花びらを描いたものがある。我が家にも1本あったような気がして、箱から取り出して包みを解いてみると、胴は淡い桜色の染料で塗られていたが花びらは描かれてなかった。私の記憶違いである。

今晃17

 今日、紹介するこけしは今さんの4寸で制作時期は平成5年である。胴はくびれ末広がり、盛秀太郎のこけしのようなシルエットである。胴の模様は肩と帯、裾に赤、緑、紫の3色で細い線が引かれ、その中に淡い桜色の染料が塗られている。顔は幼児のようにあどけなく愛らしい。この小さなこけしを手に取って眺めてみると、心なしか春の暖かさが伝わって来るように感じた。

こけしの話326

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