2018-02

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野地忠男3 ニヒルな顔

 野地忠男3 ニヒルな顔
 
 雪はほとんど降らなかったが、異常に寒い日が続いている。年が明けたと思っているうちに、もう直ぐ1月も終わろうとしている。歳を重ね。月日の流れる速度が年々増してゆくように感じてならない。

野地忠男3-2

 最近、妻が気になるバックを見つけ、つくば市にある帆布でバックを作っている工房兼直営店を訪ねた。最近この地に開業したので、まだナビでは案内してくれないらしい。細く曲がりくねった道に入り、少し走ると、静かな住宅街の中にお洒落な建物が現れる。それが「SUDAHANP(須田帆布)」である。帆布を使った丈夫で飽きの来ないバックを作っている。
 
 ちょっとしたお出かけに使うバックを1つ買い、帰りの車の中で「次はリュックが欲しいね。」と妻は呟いていた。

野地忠男3-1

 今日のこけしは以前に紹介した野地忠男さんの小寸の笠を被った作品と同じ時に、土湯温泉のアサヒ写真館で購入したものである。大きさは3寸で制作時期は平成13年69歳の作品である。胴模様は赤とほんの少し緑の染料でロクロ線が引かれ、木地に少し滲みが出ている。

野地忠男3

 小寸ではあるが、じっと眺めていると野地忠男さんの描く湊屋のこけしは、ニヤッリと笑った顔が少し歪み、それがグロテスクで何とも言えない魅力を感じた。須田帆布のバックのように何時までも長く付き合って行きたいと思っている。
 
こけしの話355

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荒川洋一100 植木型

荒川洋一100 植木型

 今年も終わろうとしている。昨日は年末の恒例にしている筑波山の登山をおこなった。筑波山神社の駐車場に車を止め、初詣の準備が整っている神社の横を通り、白雲橋の登山コースを選び登り始めた。このルートは女体山の山頂までの標高差が620mあり、スギやモミ、アカガシなどの樹林を歩き、広葉樹林に変わるころから、弁慶七戻りような奇岩や巨石が続き、変化に富み面白いコースである。頂上ではスカイツリーや富士山が遠く霞がかかった中に眺めることができた。

荒川洋一100-3

 今日、紹介するこけしは、先月「書肆ひやね」で開催されていた第10回「山河之響の会」で、私が3本目に選んだ荒川洋一さんのこけしで「植木型」と呼んでいる。大きさは5寸である。

荒川洋一100-1

 形態は造り付けでスリムであり、隈取の中の目はタコ坊主にしては細く、「荒川さんの化身」のような雰囲気が出ているこけしである。初めて工房を訪ねた時、この同手のこけしを手に取り眺めているうちに「荒川さんに似ている。」と感じ、それ以来、荒川さんの自画像を観ているようで親しみがある。     

荒川洋一100

 工房を訪ねた時やヤフオクなどで、機会ある毎に同手の「植木型」を購入し、新旧、何本か取り出しは机の上に並べ、ぼんやりと眺めることがある。

こけしの話354

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荒川洋一99 千代五郎型

荒川洋一99 千代五郎型

 神田の「書肆ひやね」で開催されていた第10回「山河之響の会」は昨日終了した。メンバーは昨年と同じで、荒川さんの他に、佐藤一夫さん、小笠原義雄さん、笹森淳一さん、桜井昭寛さん、鈴木明さんの6人である。「書肆ひやね」での開催は7回展から今回まで続いている。

荒川洋一99-2

 私達は山河之響の会を観て、東京駅に戻り、昼食は昨年食べたパスタの味が忘れられず、三菱一号館の中庭にあるレストラン「A-16TOKYOU(エーシックスティーントウキョウ)」で食べた。ビールを飲みながら濃いトマトソースのモッチリとした太めの麺を味わった。中庭にはクリスマスの飾り付けがしてあり、平日の午後にも拘わらず大勢の人々が往き来している。

荒川洋一99-3

 昼食の後はSKY BAS(スカイバス)、2階建てのバスに乗り、皇居の周辺や銀座をぐるりと一周した。街路樹のイチョウやケヤキは秋色に染まり、歴史的な建造物や都会の街並みと調和して美しく映えていた。妻と2人で、久しぶりにお上りさんとしての一時を楽しんできた。

荒川洋一99

 山河之響の会で2本目に選んだこけしは荒川さんの千代五郎型である。大きさは5寸で、胴は赤と黄色、緑の3色の団子を重ねているような形をしている。短めの髪に、反った二重瞼と赤い口が描かれていて、何処となく目を細め笑っているような少年の顔に映っている。

荒川洋一99-4

 以前、土湯温泉の「アサヒ写真館」で購入した同手のこけしを並べてみた。両方とも目を細めて笑っている。
 
 「アサヒ写真館」の千代五郎型は制作時期が平成19年で、本作とは10年近く時間の隔たりがあり、大きさや形態、描き方の違いがハッキリと見てとれる。原そのものが違っているのかも分からないが、私は2つ並べて、その相違を見比べながら、楽しむのも面白いと感じている。

こけしの話353

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荒川洋一98 山河之響の会

荒川洋一98 山河之響の会

 今日は「書肆ひやね」で開催されている「山河之響の会 第10回展」に行ってきた。会期は23日(木)~25日(金)の3日間で明日が最終日になる。今日は平日だったので、予想していたよりもお客様が少なく、ゆっくりとこけしを観ることができた。

荒川洋一98-2

 今日のこけしは「山河之響の会」で購入した荒川さんの善吉型で大きさは8寸1分、胴はやや末広がりになっており、赤と緑、紫の染料でロクロ模様が引かれ、柔らかな木地に色が少し滲んでいる。

荒川洋一98-1

 隈取をした善吉型のこけしの顔を手慣れた筆使いで描いている。キリットした紡錘形の目、キュッと結んだ口が活き活きとしている。荒川さんに「このタコ坊主は何とお呼びしているのですか。」と尋ねると、少し考えてから「ロクロ模様だ。」という答えが返ってきた。善吉のタコ坊主を原に作ってきたが、このロクロ模様のこけしは荒川さん流に少しアレンジしているという。

荒川洋一98

 荒川さんは、今回はあまりこけしを作れなかったと仰っていた。体力的な衰えだろうか。1年ぶりにお会いしたが、歩き方がぎこちなく少し痩せたような気もする。確か来年は80歳になると思う。駅までの道を妻と歩きながら「荒川さん、年老いたね。」という声がどちらかともなく漏れてきた。

こけしの話352

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木村吉太郎2 仙台の古本屋さん

木村吉太郎2 仙台の古本屋さん
 
 この季節になると計ったように白侘助の花が咲き始める。花が少なくなる季節、庭に出ては、つい眺めてしまう。もう少し寒さが厳しくなると一旦咲くのを止め、残った蕾は寒さが緩む春まで待つことになる。

木村吉太郎2-2

 今日、紹介するこけしは木村吉太郎の作品で大きさは7寸である。胴裏に薄い緑の染料で上ノ山と書かれ、その下に木村吉太郎と署名がしてある。胴模様は上下に赤と緑の染料でロクロ模様が引かれ牡丹の花が一輪と蕾が一つ描かれている。眉や目鼻を描く筆使いに震えがなく強弱がハッキリとした線が引かれ、全体的にキリットした仕上がりになっている。制作時期は病で倒れる前だろうか、昭和30年代のものと想像する。

木村吉太郎2-1

 吉太郎は明治29年10月7日に山形県上ノ山に生まれ、明治45年、17歳の時に荒井金七の弟子となり木地を修業し、大正7年に23歳で独立開業した。
 昭和41年に脳溢血で倒れたが、回復後に震えるような筆使いのこけしを描き世に出している。昭和47年に77歳で亡くなった。

木村吉太郎2

 前回のブログで、昭和60年頃こけしに対する情熱が薄れた時期があったことを紹介したが、それを僅かに繋ぎ止めていたものがある。それは正月に水戸駅前にあった西武デパートの催事場で開催される古本市である。書店の中に仙台から来る古本屋さんがあり、古書の他にレコードやCDと中古のこけしを一緒に並べていた。私は毎年、実家に帰省したときに、何冊かの古本と気に入ったこけしを探し1、2本買うのが恒例になっていた。今回、紹介した吉太郎さんのこけしもその頃に買ったものである。

こけしの話351

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